21世紀の超高齢社会に入り、生命と健康に対する国民の関心は、かつてないほど高まっています。一方で、国民医療費が増加しつづける中、国民皆保険制度を維持しつつ、制度の持続可能性を維持することが課題となっています。こうした状況の下、医療の質の引き上げと医療の効率化の双方を達成することが求められています。
この困難な課題を解決するためには、より科学的根拠のある医療技術とより良い社会環境の構築が不可欠であると言えます。わが国においても2000年代以降、医療技術は急速に発展し医療関係者の数も増え、最先端医学研究が活発に行われております。
しかしながら、これまでこれらの医療関係者が、その研究を社会的基盤として実践する場があったとは言えません。同時に、各分野の最新医学の研究者と医療関係者がそれぞれのアプローチから研究や実践を行ってきたものの、相互の交流は必ずしも活発ではありませんでした。
われわれは、医療と社会保障のより良い社会環境をつくり、あらゆる分野の研究者を広く糾合し、医療環境と社会システムの基盤造りに積極的な貢献を行い、それによる更なる国民の健康と寿命延伸を目的として活発化を図るべく、ここに「一般社団法人先進医療学術振興会」の設立を企画しました。この会が医療環境と国民の社会生活に寄与できる研究成果の実践の場として、この趣旨に賛同していただける多くの研究者や関係者が交流する場となることで、その学問的成果に基づく政策や医療現場での実践が行われ、ひいては質の高い効率的な医療が国民全般に提供されるようになることを期待するものです。 大学・行政・企業・医療機関などにおいて研究をおこなっている関係者の方で、われわれの設立趣意に賛同する方々の積極的な参加を期待しております。

平成31年3月吉日
一般社団法人先進医療学術振興会　設立発起人一同
代表理事　市川博充